「けんかはだめだよ」
髪を落とし、尼となったその人はそう言った。
石田三成は背をしゃんと伸ばし、胸をぐっと張り、眼を凛とする。
「これきりに致します」
それが我が子のように育ててくれた人にできるせめてものことだった。
それでも
やっぱりけんかはだめだよ、三成